社団法人 全国腎臓病協議会 設立にあたっての私たちの決意

私たちは1971年6月、全国腎臓病患者連絡協議会を結成しました。

この会は、普及途上の人工透析療法を、「金の切れ目がいのちの切れ目」といわれた高額な医療費のために受けられなかった患者や、人工腎臓が決定的に不足していたために死んでいった患者の悲劇を目撃し、運よく生き残った患者、その悲劇が自分にも待ち受けているかも知れないと告知され不安におののく患者、そしてその重荷をともに担わなければならない家族らの呼びかけによって結成されました。

私たちは、運動によって透析医療費の公費負担を実現させました。
  私たちは、運動によって人工腎臓の増設をかちとりました。
  私たちの運動によって、誰でもいつでもどこでも透析治療が受けられる基盤を築きました。
  私たちは、「この苦しみは、私たちだけでもうたくさん」という想いから、腎臓病で苦しむ人を少しでも減らしたいと「腎疾患総合対策」を大きな目標に掲げました。私たちは、運動の基本を「腎臓病患者のいのちとくらしを守る」ことにおき、命を削りながら多くの仲間と全国で運動をすすめてきました。
  私たちは、運動の基盤を強化するために、都道府県毎に、病院毎に、そして市町村毎に、全国で患者会づくりを呼びかけました。

私たちは、いま、公益法人として新たな旅立ちをはじめます。
  新たな旅立ちは、私たち自身が成長し、私たちの社会的使命が高まったことにはじまります。私たちは“何かをしてもらう”立場から、社会の中で“何かをする”ことができる自らの役割と立場を知ったのです。
  私たちは、単に「生きる」ことと、「人間らしく生きる」ことは別のことだと考えます。ただ「生きる」ことができればいいのではなく、「人間として生きる」ことの重さを知っています。
  そのためには社会保障が必要であり、その充実が必要です。
  そのためには、人の愛が必要であり、優しさが必要です。
  そのために、政治の役割が不可欠です。
  私たちは、社会から、家族から、多くの人びとから、たくさんの手と愛と優しさを受け取りました。私たちは、腎臓病に苦しむ人びとに、その家族に、あるいは腎臓病になるかも知れない人びとに、難病や慢性疾患で苦しむ人びとに、多くの困難を抱えている人びとに役に立つ存在であり続けたいと思います。

私たちは、これまでの運動の基本的立場を受け継ぎ、さらに新たな課題に挑戦します。
  私たちは「多くの人びと」の一員として、新たな課題の解決、実現、方策、手助けに取り組んでいくことを決意します。

公益法人としての新しい旅立ちにあたり、全会員の合意によって「私たちの決意」をここに確認するものです。

  1. 私たちは、「患者のいのちとくらしを守る」ことを運動の基本にしてきた23年間のたたかいの精神を継承します。
  2. 私たちは、性、年齢、貧富、社会的立場・地位、思想、信条、宗教など一切の差別無く、すべての患者は対等、平等であり、等しく最新最良の医療を受け、社会資源が利用できる権利を有することを主張します。
  3. 私たちは、この患者組織が、自らの病気を科学的に正しく認識し、病気と向かい合う勇気と仲間同士で支え合うきずなを固め、病気と共存するための社会制度の充実をめざす患者自身の組織であることを確認します。
  4. 私たちは、医学の進歩による多様な治療法について、それを選択・決定するのは患者自身であり、その権利を有するものであることを主張します。
  5. 私たちは、すべての国民が健康で文化的な生活を営む権利を有すること、それは国の責任であるべきことを主張し、多くの人々と連帯して運動をすすめます。
1994年8月27日 社団法人 全国腎臓病協議会 設立総会