JPAが菅首相、細川厚労相に緊急要望

全腎協が加盟するJPA(日本難病・疾病団体協議会)は28日に菅内閣総理大臣および細川厚生労働大臣に災害対策についての緊急要望を行いました。
以下要望書の全文です。

東日本大震災およびその後の災害における要援護者(高齢者、障害者、難病・長期慢性
・小児慢性疾患患者、妊婦、乳幼児等)への対応についての緊急要望書

 平素より難病・長期慢性疾患患者へのご支援を賜り、厚く御礼申し上げます。
  震災から半月が経過いたしました。国をあげての支援策も、初期対応(安否確認、被災地からの避難、急性期医療)から、避難所における支援や医薬品を含む物資の供給や、復興にむけての支援など新たな段階に入ってきています。私たち患者団体も、私たちの立場からできることを積極的に行っております。
障害者対策、難病・慢性疾患対策は、特別な分野の対策ではなく、国民全体への医療、介護、福祉の充実対策であるとの認識にたって、難病・長期慢性疾患患者、障害者など配慮を必要とする人たちへの対策を、中長期的な対応もふくめて、次の点を考慮してすすめていただきたく、要望いたします。

[記]

実態把握
1.被災地および被災地以外の避難所に、要支援の難病・長期慢性疾患患者が残されていないか、実態把握を、自治体や地域の患者団体とともに早急に行うこと。

医薬品の供給、専門医療機関による診療体制の確保、患者への情報発信
2.医薬品の供給について、国は医薬品ごとの供給状況を掌握し、国民に適切に公表すること。とくに希少難病患者の使用する薬剤は地域でのストックが極めて少なく、医療機関にとっては手配が出来ないこともあります。疾病によっては一日も欠かすことの出来ない医薬品もあり、希少疾患の医薬品の供給状況の掌握、患者への適切な周知、避難所の実情にあわせてボランティアによる特別なルートの開拓など、すばやい手配が可能にすること。
個々の医薬品について生産工場が生産能力を失った場合、速やかに他の企業による生産ルートを開くか、海外からの緊急輸入などを行えるようにすること。今後、生命にかかわる医薬品の生産は、国内での分散生産とするよう指導すること。

3.難病・長期慢性疾患の疾患ごとの専門医療機関の状況、被災地での医療確保、被災地以外での患者の受入体制を掌握し、患者への正確な情報を適切に発信すること。ホームページや広報などへの掲載だけでなく、テレビやラジオで相談窓口などの情報を流すなど、患者や家族に情報を届けることを積極的に行うこと。

〔避難所における対応
4.避難先から医療機関、またはより安全な場所への移動に係る費用や燃料の支給、住宅や介護支援者の確保などの支援を行うこと。
避難所から医療機関に通う必要のある患者については、人工透析患者もふくめて災害救助法の医療給付の対象とできることを周知し、その費用を患者が負担しなくてもよいようにすること。
また、入院中の医療機関から他の医療機関に通う場合の診療報酬の減額規定を解除すること。

5.避難所で長期間生活せざるをえないことを念頭において、難病や長期慢性疾患をもつ人たちについて、その疾患の特性をふまえた配慮を行うこと。疾病の特性に応じた配慮が必要な患者への対処法について、患者会のチラシや相談窓口の掲示などを積極的に行うこと。
避難所にいる難病・小児慢性疾患の子どもたちへの心のケアを行うこと。

6.被災地で在宅にいる患者・家族への声かけや、支援物資の十分な配給を行うこと。また、避難施設を患者や高齢者、障害者が利用できるようバリアフリー環境の整備と生活支援を行うこと。
都道府県の難病相談・支援センター間の連携体制をとり、被災地から他の都道府県に移動する際のコーディネートが行えるようにすること。

地域の医療体制等の整備
7.地域の医療提供体制の整備を最優先させ、人的体制の確保、緊急発電用の重油の確保、在宅の人工呼吸器、酸素、吸引器使用患者への電力の確保、酸素ボンベの確保を優先的に行うこと。被災地以外の医療提供体制を確保するとともに、計画停電への対策についても、医療機関での電力の優先供給を実施すること。

8.今後災害時においては、各県の「危機管理室」に難病・長期慢性疾患患者、障害者、高齢者、乳幼児、妊産婦など要援護者リストの作成・常備し、支援が必要な人を掌握できる体制を構築すること。
市町村の「危機管理室」と連携を密にするとともに、医療・保健・福祉関係部局とのネットワークを確立し、支援体制を構築すること。

                              以上