グローバルナビゲーションへ

本文へ

ローカルナビゲーションへ

フッターへ



ホーム  > 腎臓病について  > 食事について  > 腎臓病保存期の方

腎臓病保存期の方

腎臓病の治療では、食事療法がとても重要視されています。一般的には腎臓の機能が正常の50%を下回るとき、血清クレアチニン値が少なくとも2㎎/dlを超えたときから慢性腎臓病の食事療法は開始されます。腎臓病を進行させる原因は、タンパク尿と高血圧です。また、腎臓の機能が低下していくと、体内の老廃物が排泄されにくくなります。このため、主に塩分とタンパク質の摂取を控えるようにします。ただし、すべてを制限すればよいということではなく、必要な栄養が不足してしまうと逆に体調不良の原因にもなるため、エネルギー量はしっかり確保する必要があります。

食事療法の内容は病気の進行度など患者個々で大きく異なるため、主治医や管理栄養士の指導を受けながら実行していくことが大切です。ここでは基本的な目安をご紹介します。


①塩分の摂取を控える

塩分を摂り過ぎると、体内の塩分濃度が過剰となり、それを排泄させるために、腎臓の糸球体に過剰な負担をかけます。また、高血圧を引き起こし、腎機能の低下を早める原因となります。1日の食塩摂取量は6g未満に抑えることが理想的です。減塩を成功させるポイントは、まずは調味料や食品に含まれる食塩量(※)を知ることです。そして、急に食塩量を減らすのではなく、徐々に薄味に慣れるようにし、習慣化することが大切です。
※最近の食品には、ナトリウム(Na)量が表示されていることも多いです。次の計算式で食塩量に換算することができます。
食塩量(g) = 表示のNa量(mg)× 2.54 ÷ 1000

<食塩量を減らすための工夫>
・調味料は計量して使う
・酸味や香辛料を利用する
・しょうゆやソースはかけるのではなく、つけて食べる
・干物、練り物、漬物、ハム、ウインナー、ベーコンなど食塩量の多い加工食品、
 インスタント食品はできるだけ避ける
・みそ汁は具だくさんにして汁は飲まない
・食卓に塩、しょうゆなどの調味料などを置かない
・かつお節、煮干しなど天然のだしを取る
・香辛料(生姜、わさび、こしょう、カレー粉など)を上手に活用する


②タンパク質の摂取を控える

タンパク質は、体の中で代謝されて尿素窒素(BUN)に分解されます。このため、タンパク質の摂取量に応じて体内で作られる尿素窒素の量は変わります。尿素窒素が過剰となり、それを排泄させるために、腎臓の糸球体に過剰な負担がかかります。また、腎機能が低下すると、増加した老廃物が体内に蓄積し、尿毒症を引き起こします。タンパク質はクレアチニン(Cr)の上昇につれて制限を強くします。また、タンパク質制限が強くなるほどカロリー摂取量は上げる必要があります。1日のタンパク質摂取量の目安は次の通りです。
血液中(mg/dl)標準体重(※)による摂取量体重50㎏の目安体重60㎏の目安
クレアチニン(Cr)2以下 過剰摂取を避ける
クレアチニン(Cr)2~40.8~1.0g/㎏標準体重/日40g/日50g/日
クレアチニン(Cr)4以上0.6~0.8g/㎏標準体重/日30g/日40g/日

タンパク質は、質の良いものを適度に摂取することが大切です。良質のタンパク質とは、必須アミノ酸の量をもとに計算されたアミノ酸スコアの数値が100に近いもの(下表)です。また、食べ物の中にどの程度タンパク質が含まれているかを考える際には、「腎臓病食品交換表」を用いると便利です。
食品類食品名アミノ酸スコア
魚介類アジ100
イワシ100
サケ100
タラ100
ブリ100
肉類鶏肉100
鶏レバー100
豚肉100
豚レバー100
卵・乳製品牛乳100
鶏卵100
ヨーグルト100
ナチュラルチーズ92

ただし、体は腎臓だけでできているわけではないので、活動に必要な量のタンパク質は摂取する必要があります。腎臓の機能に合った量を管理栄養士などと相談しながら摂取するようにしましょう。

③エネルギーは適正量を十分にとる

食事でとるエネルギーが不十分だと、体内に蓄えられていたタンパク質を消費して補います。すると、筋肉などがエネルギー源として使用されるため、その代謝産物(老廃物)が血液中にあふれだし、腎臓に過剰な負担がかかります。また、エネルギーを過剰にとっても、肥満につながり、糖尿病や脂質異常症の原因となり、腎臓の血管の動脈硬化を進行させます。適正なエネルギー量をとることが大切です。
<必要なエネルギーをとるコツ>
・1日3回、食事をきちんと食べる
・1日1回は、油を使った料理を食べる(揚げ物、炒め物、ドレッシングあえなど)
・市販の高エネルギー補助食品を活用する
・はるさめなどのでんぷん製品(でんぷん製品はタンパク質を含まない)を食べる
・タンパク質を含まないよう調整された市販のゼリー、クッキー、飴、ジュースなどの
 菓子類や嗜好品を捕食や間食に活用する

<糖尿病の患者さんは担当の先生と相談を>
糖尿病にかかっている患者の方の場合、それまで行ってきたカロリー制限に加えて、食塩制限とタンパク質制限が必要となってきます。それまでとは逆にカロリー摂取を少し増やすように指導されることもあります。そのため、血糖の管理が甘くなる場合があるので、食事内容は担当の医師や栄養士とよく相談して決めるようにしてください。