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ホーム  > 腎臓病について  > 治療法について  > 腹膜透析  > 合併症について

合併症について

腹膜炎

腹膜炎は腹腔の中に細菌が入って炎症を起こす合併症です。お腹から取り出した透析液(排液)がにごり、発熱、腹痛、悪心、吐き気、下痢、便秘などの症状が出ることがあります。
原因は、透析液交換時のミス(清潔を保てない)、出口部からの感染、カテーテルの破損や接続部の緩み、自分の腸から細菌がお腹の中に侵入するなどが考えられます。
腹膜がダメージを受け、腹膜機能が低下したり、腹膜透析療法を継続できる期間が短くなる原因にもなるので、日ごろからの予防が大切です。

予防のために

  • バッグ交換を清潔に行う
  • バッグ交換時にはマスクを着用し、手洗いを行う
  • バッグ交換の部屋はこまめに掃除して、きれいな環境を整える
  • カテーテル出口部・トンネル感染を起こさない

カテーテル出口部感染・トンネル感染

カテーテル出口部・皮下トンネル(イラスト)が細菌によって感染を起こす合併症。初期は出口部のみの感染でも、放置しておくと皮下トンネルまで感染が進み、腹膜炎の原因になることがあります。出口部やトンネル部の痛み、赤くなる、腫れる、ジュクジュクする(浸出液・膿・肉芽・血液などが出てくる)といった症状がみられます。
原因は、出口部の汚染、カテーテルを無理に引っ張ったり曲げたりする、テープや消毒薬などによるかぶれ、かき傷、切り傷などが考えられます。毎日の出口部のケアと観察をきちんと行うことが大切です。

予防のために

  • 出口部の異常がないか、毎日観察する
  • 指導された方法でカテーテルケアを毎日行う
  • 出口部に負担がかからないように、カテーテルは確実に固定する、引っ張ったり曲げたりしない
  • かぶれやかゆみを起こさないテープ、消毒薬を使う
  • カテーテルや接続チューブの近くではハサミを使用しない

被嚢性腹膜硬化症(EPS)

腹膜透析の合併症の中でもっとも重篤なもののひとつです。腹膜全体が厚くなり、腸が動かなくなります。進行すると腸が癒着し、腸閉塞になることがあります。症状としては、嘔吐、腹痛などお腹が動かない状態(イレウス)になります。
原因は、長期間にわたる腹膜透析や重篤な腹膜炎の発症、生体適合性が悪い透析液の使用などによる腹膜劣化が続くことで起こるとされています。

予防のために

  • 腹膜劣化が原因で起こる合併症なので、腹膜機能検査を定期的に受ける
  • 腹膜劣化が進行している場合は、血液透析への移行を検討する
  • 腹膜劣化の原因となる腹膜炎を何度も起こさないよう日ごろの管理をきちんと行う